自宅にいながらディズニーパークを楽しむブログ

年2、3回インパの遠方民がいかに自宅でディズニーパークを楽しんでいるかをお話しします

「スター・ジェット」の歴史について考えてみる

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"Rocket to the USA" by Peter E. Lee is licensed under CC BY-NC 2.0

2017年まで東京ディズニーランドに存在したアトラクション。
「スター・ジェット」
東京ディズニーランドの開園当初から存在したアトラクションで、
跡地は映画「美女と野獣」をテーマにしたエリアの一部となっています。
しかし開園当初から存在したアトラクションですし
海外のディズニーランドにもあるんじゃないの?
と思われるかもしれません。
実は世界のスター・ジェットは現在
全て違った形になっているのです。
今回はそんな懐かしアトラクション「スター・ジェット」
歴史を見ていきましょう。

世界初のディズニーランドがオープンしたのは?
今から65年以上前の1955年です。
そして初めてのスタージェットがオープンしたのはそれから1年後
1956年のことでした。

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画像出典:OLD TOMOROWLAND MONTH: Disneyland's First "Major New Ride" - Disney History Institute

これが一番最初のスタージェット
名前を「アストロ・ジェット」と言いました。
このタイプのアトラクションというと空飛ぶダンボが有名ですが、
実は空飛ぶダンボよりこちらのアトラクションの方が
オープンが先なのです。
置かれている場所は建物の上ではないですが、
ロケットの棒が繋がっている真ん中の支柱が
上に上がるといえ原型は完成されています。

これが建物の上に建つようになるのは
それから約10年後のこと、

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"Rocket Jets ride, Disneyland, 1979" by Distraction Limited is licensed under CC BY 2.0

こちらが先程のアストロジェットを改装して作られた
「ロケット・ジェット」といアトラクションです。
皆さんの知っている「スター・ジェット」にかなり近いですよね。
でも下に乗り物らしきものが走っている?
これはなんでしょう。

こちらは「ピープルムーバー」という乗り物のアトラクション。
ピープルムーバーの線路はトゥモローランド中に張り巡らされており、
建物の中に入ることもあります。
そんなピープルムーバーの乗り場が
ロケット・ジェットの建物の下にありました。
なのでロケット・ジェットは建物の上に建てられたのです。

ちょっと待って?
東京ディズニーランドにはピープルムーバーなんて
アトラクションはありません。
しかしスター・ジェットはロケットだけでなく
わざわざ下の建物も建設されました。
何故ロケットだけを作らなかったのか?

ここからはあくまで筆者による個人的な予想ですが
おそらくスター・ジェットが建てられた場所が関係していたのだと思います。

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"Rocket to the USA" by Peter E. Lee is licensed under CC BY-NC 2.0

スター・ジェットはどこに建設されていたか
覚えていますか?
上の写真だとわかりづらいですが、
トゥモローランドファンタジーランドの間に
建てられていました。
ここは2つのエリアの境を明確にするだけでなく、
パークに入りまず城の前まで来たゲストを
トゥモローランドへ誘導する役割を果たしていたのではないかと思います。
ゲストを引き寄せる目印として
これほどクールで目立つものはないでしょう?

さてさて、その後ヨーロッパのディズニーランドである
ディズニーランド・パリがオープンしたのですが。
実はディズニーランド・パリにトゥモローランドはありません。
その代わり昔の人が思い描いた未来をテーマにした
ディスカバリーランド」というエリアが存在します。
そんなエリアのために改良されたスター・ジェットがこちら。

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"Orbitron - Disneyland Paris" by wrayckage is licensed under CC BY 2.0

「オービトロン」と呼ばれるこちらのアトラクションは、
場所も建物の上ではなくなり
中心のロケットも天体模型風のデザインに変更されました。
この模型はレオナルド・ダ・ヴィンチの太陽系のスケッチをモデルとして作られています。
レトロフューチャー感溢れる素晴らしいデザインですね。
あまりにもこのデザインが素晴らしかったので
実はカリフォルニアのディズニーランドにも逆輸入されました。

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"Tomorrowland" by camknows is licensed under CC BY-NC-SA 2.0

それがこちらの「アストロ・オービター」
色は違いまずが、形はそっくりです
因みにこの色はのちに塗りなおされたものなので
オープン当初は全く同じものでした。
しかしこれが作られたのは地面の上…
あれ?
じゃあ建物の上にあったロケット・ジェットはどうなったのでしょう?
そんなロケット・ジェットの現在の様子がこちらとなります…

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"Observatron" by woofiegrrl is licensed under CC BY-ND 2.0

え、なにこれ…
このオブジェは「オブザベートロン」と言います。
似たような名前が続いて紛らわしいですね。
あくまでオブジェ、アトラクションではありません
よく見ると、実は元のアトラクションの骨格がそのまま残っています。
真ん中の支柱、いくつものアンテナを支えてるアーム、分かります?
過去には一定時間ごとにトゥモローランドのBGMに合わせて回転していたようですが
現在ではただのオブジェになってしまったようです…
因みにアトラクションの下を走っていたピープルムーバーも
現在はもう運営しておらず
線路のみが残されています。

…まだ希望を捨ててはいけません
ここまで「カリフォルニアのディズニーランド」と「東京ディズニーランド」の
スター・ジェットの顛末を見てきましたが、
実はスター・ジェットはフロリダの「ウォルト・ディズニー・ワールド」にも存在しました。
そしてウォルト・ディズニー・ワールドの現在のスター・ジェットがこちら。

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"Disney World: Magic Kingdom - Astro Orbiter" by wallyg is licensed under CC BY-NC-ND 2.0

おぉ!
やっと正当な進化と言えそうなものが登場しました。
名前はカリフォルニアのディズニーランドのものと同じ「アストロ・オービター」ですが、
内容は完全に異なります。
惑星模型が周りに配置されたことにより
宇宙をロケットで飛ぶような体験が味わえるようになっています。
何故ディズニーランドとウォルト・ディズニー・ワールドでここまで差が出てしまったのか?
こちらもなかなか面白い話なので
またいつかブログに書ければと思います。

 

参考文献