自宅にいながらディズニーパークを楽しむブログ

年2、3回インパの遠方民がいかに自宅でディズニーパークを楽しんでいるかをお話しします

僅か2年でクローズした「ロケット・ロッド」について考えてみる

ディズニーパークには沢山のアトラクションが存在します。
それらのアトラクションは時代の変化とともに
絶えず進化し続けます。
中でも大人気アトラクションは
何十年も前から同じ内容のまま愛され続けることがあります。

しかし、数多あるアトラクションの中には
オープンしてから僅か2、3年で姿を消し
その後一切姿を見せなくなってしまったものもあります。
今回はそんな短命アトラクションの中の1つ
カリフォルニアのディズニーランドに僅か2年だけ存在した
「ロケット・ロッド」
について見ていこうと思います。

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画像出典:Rocket Rods in Disneyland's Tomorrowland [Closed]

こちらがそのロケット・ロッド。
5人乗りの乗り物に乗り、
猛スピードでトゥモローランドをかけ抜けます。
また、時にはトゥモローランドのアトラクション
スター・ツアーズ「スペース・マウンテン」などの内部に入り、
普段の視点では見れない中の様子を見ることができました。

ここで当時のアトラクション乗車動画を見てみましょう。

www.youtube.com

乗り物がかなりの速度で
緩急ある道を走り抜けているのが分かります。
なかなか楽しそうなアトラクションですが
一体なぜクローズしてしまったのか?
それではまず、ロケット・ロッドがオープンするまでを見てみましょう。

ロケット・ロッドが走行する以前
乗り物が走行していたレールの上には
別の乗り物が走っていました。

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画像出典:Disney Parks Featured Attraction - The PeopleMover at Disneyland Resort -

それがこちらの乗り物
名前を「ピープルムーバー」と言います。
ピープルムーバーはロケット・ロッドとは異なり
ゆっくりと線路の上を進むアトラクションでした。

このピープルムーバーがロケット・ロッドとなったのは
1998年にカリフォルニアのディズニーランドの
トゥモローランドで行われた大規模リニューアル
「ニュー・トゥモローランドの時でした。
東京ディズニーランドでも近年
「ニュー・ファンタジーランド」の名で
大規模なリニューアルが行われましたよね。
さぞかしニュー・トゥモローランドも大規模なものだったのだろうと
思われるかもしれませんが
実際はこんな感じでした……

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画像出典:New Tomorrowland: 1998 Renovation - Duchess of Disneyland

こちらがニュー・トゥモローランド後のスペースマウンテン
皆さんご存知の白ではなく、茶色がかった赤銅色となっています。
ご覧の通り、このリニューアルは
トゥモローランドレトロフューチャーをテーマに一新しよう
というものだったのですが、
殆どがただ色を塗り直しただけのものが多く
アトラクションもオープンしたものよりクローズしたものの方が多いといった状況でした。

そんなニュー・トゥモローランドの中では
割と力を入れて作られていたロケット・ロッド。
それでもいくつかの問題を抱えていました。
一番は、先述したとおり
「ピープルムーバー」という
元々あったアトラクションの線路を流用したこと。
ピープルムーバーはゆっくり走るため
線路は場所によって蛇行しています。
そんな線路を高速で走ろうとすると
蛇行する道のたびに
急なブレーキとアクセルを繰り返す必要があったため
乗り心地はあまり良くなかったと言います。

他にも高速でカーブを曲がる際にレールからタイヤが外れてしまったり、
車両同士の距離を保つために急ブレーキがかかったりなど
アトラクションを運営するだけでかなり乗り物に負担がかかっていました。
1998年の5月にオープンしましたが
僅か数ヶ月でメンテナンスのためにクローズ
夏の間中ずっとクローズとなってしまいました。
その後も頻繁にオープンとクローズを繰り返し
最終的には2000年に大規模メンテナンスのためにクローズ
その後帰ってくることはなかったようです。

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「2001年再オープン」と書かれた看板、結局戻ってくることはなかった
画像出典:Re-Opening? - a photo on Flickriver

しかし転んでもただでは起きないのがディズニーパーク。
ロケット・ロッドで培ったライド自体のモーターで自走するスリルアトラクションという概念は、その後のディズニーパークに生かされました。

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画像出典:Test Track | Disney Parks Wiki | Fandom

1999年にエプコットにオープンした「テスト・トラック」というアトラクション。
こちらは性能テストを行うための車に乗車し、
ブレーキテストやハンドリングテストを体験した後
最後には速度テストで時速100キロで道路を駆け抜けます。
自走する車に乗って急加速するというコンセプトは
その為に設計された道の上なら
上質な体験となることを証明しました。

さらにはこんなアトラクションにも…

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画像出典:File:Journey to the Center of the Earth vehicule TDS.JPG - Wikimedia Commons

東京ディズニーシーの大人気アトラクション
「センター・オブ・ジ・アース」では、
地底走行車という車に乗り
山の上から真っ逆さまに落下するという
スリル体験を開発しました。

僅か2年でクローズしてしまった
「ロケット・ロッド」
しかしそののインスピレーションは
今もテスト・トラックやセンター・オブ・ジ・アースの中に
生きているのかもしれません。

参考文献