自宅にいながらディズニーパークを楽しむブログ

年2、3回インパの遠方民がいかに自宅でディズニーパークを楽しんでいるかをお話しします

「タワー・オブ・テラー」の歴史について考えてみる・前編

異国情緒溢れる東京ディズニーシー
冒険とイマジネーションに溢れ
ロマンティックな景色と
スリリングな冒険を体験できます。

んで、そんな東京ディズニーランド
高く聳える建物の中に存在する
恐怖をテーマにしたアトラクション
それが…

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"Tower of Terror" by sanctumsolitude is licensed under CC BY-NC 2.0

タワー・オブ・テラー
呪いの偶像の力で主人が失踪したと言われている
恐怖のホテルを舞台に、
急上昇と急降下を繰り返す
呪われたエレベーターへと乗り込みます。

恐怖とホラー演出を全面的に押し出し
ある意味ディズニーらしくないようにも
思われるこのアトラクション。
 今回はこのアトラクションの歴史について
見ていこうと思います

タワー・オブ・テラーの歴史の根源を見るには
まずフロリダの超巨大ディズニーリゾート
ウォルト・ディズニー・ワールド
の中に存在するディズニーパークの1つ
ディズニー・ハリウッド・スタジオ
について見ていく必要があります。

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"File:The Great Movie Ride and Chinese Theater at Walt Disney World.jpg" by Jedi94 is licensed under CC BY-SA 3.0

ディズニー・ハリウッド・スタジオは1988年にオープン
当時は「ディズニー・MGM・スタジオ」という名前でした。
世界初の「ハリウッド映画の世界」をテーマにしたディズニーパークとして
映画の舞台装置や小道具を見ることができた他
実際にパークの中で映画の制作が行われ
その様子を見ることもできました。
(現在ではパーク内での映画の製作は終了しています)

そんなパークは開園当初からすぐさま人気パークとなりました。
しかし大きな問題が、
実はこのパークの開園当初は
アトラクションがなんと3つしか無かったのです。
その後オープンから数年でアトラクションが倍に増えましたが
倍に増えたと言っても…6つです…
その為パークには
多くのゲストを楽しませられるような
大人気アトラクションの建設が求められました。

この新アトラクションには、ある条件がありました
まずディズニー作品以外のコンテンツをテーマとしたアトラクションであること
当時のディズニー・MGM・スタジオは
映画会社の「MGM」と合同で作ったパークであり
スター・ウォーズマペットといった
ディズニー以外の作品からのコンテンツが数多くありました。

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"Star Tours (Hollywood Studios)" by Bismo Beerbelly is licensed under CC BY-NC 2.0

さらに条件!
このアトラクションはゲストが泊まるホテルと併設されているのが条件でした。
ホテルからすぐに体験できるアトラクション…
かなりワクワクするコンセプトです。
しかしこの案はすぐに没となります。
ホテルでゆったり休みたいというゲストのニーズと
大人気になるような刺激あふれるアトラクションは
相容れないと思われたからです。
ただ、この案が元でアトラクションのテーマをホテルにするという案が生まれました。

ホテルをテーマにどんなアトラクションを作るのか?
その案として出たのが「フリーフォール」という
乗り物を高いところから急速落下させるアトラクションでした。
だいぶタワー・オブ・テラーのコンセプトに近くなりましたが、
当時主流だったフリーフォールは
落下した後前進して速度を落として停止する
というものでした。

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当時主流だったフリーフォールの例
画像出典:File:Free Fall (Six Flags Over Georgia).jpg - Wikimedia Commons

ホテル型のアトラクションで構想されていたものはそれとは異なり、
実際のエレベーターのように上昇下降をする乗り物が
急速に動くことでフリーフォールになるというものでした。
そのため従来のフリーフォールとは異なり
エレベーターのブレーキだけで落下の速度を殺し
すぐさま再上昇させるシステムにする必要がありました。

いやしかし、そんな急速に上昇下降するエレベーターが作れるのか?
方法は簡単でした。
エレベーターの速度を制御している安全装置を外せば
エレベーターは重力で急速に落下するようになります。
早速高速落下するエレベーターを制作し、乗車してみたところ…
なんか…物足りない…
なんと、まだまだ速度が足りないという話になります。
というわけで、エレベーターを持ち上げるためのシャフトを下にも設置
落下するときは下のシャフトでエレベーターを引っ張ることによって
重力よりも速い速さでエレベーターを加工させることができるようになりました。

アトラクションの体験はかなり面白いものができてきましたが
問題はアトラクションのテーマでした。
先ほども述べたよう、ディズニー以外の作品をテーマとしなくてはなりません。
案の中には、「IT」などで有名なホラー小説化「スティーブン・キング」の小説を
有名なホラー俳優「ヴィンセント・プライス」のナレーションでめぐるといった
ホラーマシマシの内容のものもありました。
そんな様々な案の中で採用されたのは
トワイライトゾーン」という作品でした。

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"Twilight Zone Tower of Terror sign" by Castles, Capes & Clones is licensed under CC BY-ND 2.0

トワイライトゾーンは1960年代のアメリカのドラマシリーズで、
「普通の人々がある日突然不思議な目に遭う」いうのがテーマでした。
この一貫したテーマを利用し
普通の人々であるはずのゲストが
訪れたホテルで奇妙な出来事に遭ってしまうというストーリーを作り上げたのです。

また、その不思議な世界観を再現するため
本来のエレベーターではありえないような特殊なシーンを追加しました。
それがエレベーターが前に向かって前進するというシーンです。
何をいっているのか分からないと思いますので
実際に動画で見てもらおうと思います…

下の動画の3:30〜(※アトラクションのネタバレ注意)

エレベーターが目玉や時計が浮かんでいる
不思議な空間を前進するのがお分かりいただけたでしょうか?
仕組みの話をすると、これはエレベーターが動いているのではなく
エレベーターの中に乗っているゲスト乗っている座席が乗り物として動いています。
この乗り物にはタイヤが付いていて自走できるようになっており、
地面の中に埋め込まれたワイヤーを頼りに進んで
前進した先にあるエレベーターに乗車するようになっているのです。

 

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"Twilight Zone Tower of Terror" by Sam Howzit is licensed under CC BY 2.0

こうして1994年、
トワイライトゾーンタワー・オブ・テラーがオープンしました。
初めて体験するエレベーターでの急速落下にゲストは大興奮
アトラクションは瞬く間に人気となり
落下回数も最初は1回のみだったのが
2回、3回と増加し
最終的には落下するタイミングが乗るたびに異なるようになりました。

ここまでディズニー・ハリウッド・スタジオにある
トワイライトゾーンタワー・オブ・テラー」について見ていきました
しかし我々がよく知るのはタワー・オブ・テラーで、
トワイライトゾーン」はテーマにはなっておらず
エレベーターは前には進みません。

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"Tower of Terror" by sanctumsolitude is licensed under CC BY-NC 2.0

この後どのようにして我々のよく知る「タワー・オブ・テラー」になったのか?
それについては後編でお話ししましょう。

↓後編はこちら!

mitukeymouse.hatenablog.com

参考文献